2012年4月11日水曜日

ポトフ屋さんの『ロールケーキ』?


パリの出張で悩むのが食事。食文化の豊かなパリで、何を悩む必要があるのかと思われるかもしれませんが、毎日、朝から夕方まで展示会場との往復が続くと、ボリューム満点のパリの夕食はかなりヘビーです。

その日はパリのお店のリサーチ。マレを中心にグルグルと歩きまわったのですが、夕方からの雨で気温も低く、少し疲れ気味でホテルに戻りました。ホテルのロビーで、パリに駐在している取引先のSさんと待ち合わせて食事に出発。気を利かせてくれて、『Le Roi du Pot-au-Feu(ル・ロワ・デュ・ポトフ)』というポトフ屋さんを予約してくださいました。

絶品のポトフ!
脊髄は…慣れたらおいしいかも?
赤いチェック柄のナプキンや業務用のワングラスなど、飾らないお店の雰囲気に、気分は盛り上ってきました。すると、Sさんが「この店は脊髄が有名で、それに塩を少しかけてパンと食べてみてください」と説明。ポトフが出てくるまでの、ワインのつまみ?と想像していると、運ばれてきたお皿の端に「ロールケーキ」のような物体が・・・。実はこれが脊髄。まさに「ロールケーキ」のように輪切りされた脊髄が、ジャガイモ、人参、ねぎ、カブなどの野菜の隣にドーンとならんでいました。早速、挑戦。味は殆どなく食感も不思議な感じ・・・。ちょっと苦手な感じで私は一口でギブアップ。すると、Sさんが「実は私もコレは苦手でして・・・良かったらどうぞ」と笑顔でカミングアウト・・。でも、ポトフはとても美味しく、野菜不足が続いていた私たちのお腹も、「ロールケーキ」の脊髄のインパクトも、色々な意味で大満足なお店でした。



そして翌日。
カフェでランチをしていると、隣に70歳くらいと思われるお爺さんに食事が運ばれてきたのですが、そこには、私たちがポトフ屋で衝撃を受けた脊髄。しかも、輪切りではなく縦に切られた状態で運ばれてきたのです。そして、ギャルソンが「ボナペティ!(召し上がれ!)」と言うと、お爺さんはゆっくりとパンに付けながら食べ始めはじめました。

これからも、パリの食事に悩みそうです。
quatre saisons idee:Itatani